看取りケア

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ついに待ち望んでいた日がやってきた

3月13日の天候は晴れ、気温14度。じっと座って観戦するにはちょっと肌寒いが、声を上げて応援するには心地よいコンデイションだ。風もほとんどなく、爽やかな春の陽射しにビッチの芝生が鮮かに映える。

2004年Jリーグ・デイビジョンー、フアーストステージ第一節。この日、味の素スタジアムに集まった観衆は3万5880人。スタンドを見渡すと、オレンジの新潟サポーターと、青と赤の東京サポーターの数は同じくらいに見える。どちらがホームで、どちらがアウェーだかわからない。

それもそのはず。この日はバス60台や新幹線などを使って、ホームタウン新潟から約1万5000人のサポーターがやって来たという。もちろん、他の地域から応援に駆けつけたファンもいるだろう。午後3時30分予定のキックオフにはまだだいぶ時間があるのに、オレンジ色の大観衆は、声を上げたり歌を唄ったりして、グループごとに楽しそうに盛り上がっている。はちきれそうな期待に胸を躍らせ、どの顔も輝いて見える。

みんなこの日が来るのをずっと待ってきたのだろう。ついに待ち望んでいた日がやってきた。

しかし、夢がかなった喜びに浸っていられるのは、あとわずかな時間だけだ。キックオフの笛とともに、新しい現実が始まる。ひとつのプレー、ひとつのゴール、ひと試合ごとの勝ち負けに、一喜一憂しなければならない厳しい戦いの日々がスタートする。

そんなことはわかっている。昇格を決めた日から始まったお祭りは、キックオフの笛とともに終わりを告げる。だからこそ、アルビレツクス新潟のサポーターたちは、残り少なくなつた幸福な時間を存分に満喫する。

「試合前に、1年間よろしくお願いしますということを示すために挨拶に行ったのですが、サポーターたちの声援を聞いて背筋がゾクゾクッとするような印象を持ちました。遠路はるばる、オレンジのものを身にまとって、ホームと変わらないくらいのフアンが来てくれたことに心から感謝します」監督の反町康治が心を打ち震わせたのは、サポーターたちの熱い気持ちが伝わったから。これまでよりもはるかにレベルの高いJlのステージに挑戦するのは、なにもクラブだけではない。サポーターたちの心は、いつでもどこでもアルビレックスとともにある。遠いアウェーでの過酷な戦いにも、彼らはきつと駆けつけるだろう。そしてともに戦うだろう。これまでだつて、そうだつた。

新潟サポーターの知名度はすでに全国区だ。約4万2000人収容の新潟スタジアムをオレンジ一色に染め上げての応援風景は、テレビでさんざんお目にかかっている。昨シーズンはJ2なのに、ホームでの年間入場者数( 66万7447人)と1試合平均観客数(3万339人)のJリーグ新記録を打ち立てた。サポーターの後押しがなかったら、ここまで来ることはできなかっただろう。

この素晴らしいサポーターがついているならば、J1がどんなにハイレベルでも、恐れる必要などまったくない。サポーターヘの挨拶で、反町の新たなる戦いへ臨む準備は、これですっかり整った。



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